グラボのファンをnoctuaに交換して冷却、静音性UPに挑戦

2020-02-07

現在使用しているグラフィックボード「MSI RX 580 Armor Mk2」のファンをnoctuaに交換してグラボの静音化、冷却性能UPに挑戦しました。

本グラボはファンがフル回転すると結構音が大きく、ケースが約10Lのスリムケース(Fractal Design Node 202)で小さいため排熱の面でも不利。
(高負荷時で80℃弱ぐらいなので動作上問題はありませんが。)
そこで、グラボのファンを交換することで改善できないかと考えました。

結果として静音化+最大温度約7度低下に成功しました。

目次

評価環境

ケースFractal Design Node 202
マザーボードASRock Fatal1ty X370 Gaming-ITX/ac
CPURyzen 2700(無印)
グラボMSI RX580 Armor Mk2
メモリCorsair CMR16GX4M2C3600C18 8GB x 2 (3200Mhz運用)
CPUクーラーID Cooling IS-30 (ファンはNoctuaのNF-A9 PWM 92 x 25mmに交換)
PSUSilver Stone SST-SX600-G V2
SSD2.5” WD Blue 500GB、m.2 WD Blue 500GB(SATA)
HDD東芝 2.5” MQ04ABD200 2TB
ケースファン①Cooler Master XtraFlo 120 slim x 2個
ケースファン②noctua NF-A12x15(マグネット貼付け)

交換用ファン

交換で使用するファンはnoctuaの「NF-A12x25 PWM」

ファン交換

グラボのファンを外す

まずはグラボに元々取りついてあるファンを外します。
↓ファンを外す前のグラボ

このファンを取り外していきます。
「MSI RX580 Armor Mk2」の場合、一部精密ドライバを使用しないと外しにくいネジがありました。
どのネジを外すかはグラボにより異なるため割愛します。

↓がファンを外した状態です。

左上の赤丸がグラボ用のファンコネクタですが、通常のファンコネクタよりも小さなコネクタが採用されています。
基本的にどのグラボもこの規格のコネクタを使用している模様。もちろん例外もあると思いますので、一度分解してコネクタのタイプを確認しましょう。
そして、通常のケースファンはそのままでは取りつかないため、以下のような変換ケーブルを使用します。

ピンボケごめんなさい

使用したのはこちら

新しいファンを取り付ける

上記変換ケーブルと分岐ケーブルを使用してnoctua「NF-A12x25 PWM」を2個取り付けていきます。


この後、本来であればヒートシンクに交換したファンを結束バンドなどを使用して密着させるように固定していきますが、私が使用しているケースFractal Design Node 202はスリムタイプのケースであり、グラボ搭載エリアの直ぐ脇にケースファンが取りつく構造になっているため、ケースファンとして固定することとしました。→ファン取付方法を追記しました。
ただ、この方法だとヒートシンクとファンの間にどうしても隙間ができてしまい、ヒートシンクのフィンの隙間の空気を押し出す力は弱くなっていそうです。
この辺りが懸念事項ではあったのですが、今回はケースファンとして固定する方法を取りました。
(結果として、この隙間のせいか分かりませんが冷却効果UPはあまり望めませんでした。)

【追記】
ファンとヒートシンクの隙間を狭めて実験したところ、温度の改善が見られました。
つまり、ヒートシンクにファンを密着させた方が温度改善効果が高くなりそう、という予想通りの結果となりました。


↓ケースにファンを固定

あとはこの状態でケースを閉じて変更前後の温度状態を確認していきます。
ちなみに、このケースの電源ケーブルが結構キツキツでありファン2個がそのままの状態では取りつかなかったため、ファンの一部を削り取るという荒業でファン2個を固定しました。

【おまけ】ファンの固定方法

かなり雑ですが、ケースファンとしてではなくグラボにファンを固定する方法を試してみました。
まずはファン二つを結束バンドでくっつけます。

赤丸部分を固定

次に、金属の結束バンドを使用してグラボのヒートシンクの下に適当な本数通します。
今回は2本使用しました。

この画像は一本ですが、実際は2本使用しました。

最後にファンを乗せて縛っていきます。

結束バンドのあまり部分は最終的に切り取ってください。
注意点として、金属結束バンドを締めすぎるとグラボのヒートシンクにダメージが行く可能性があるので、締めすぎないように気を付けましょう。

改善結果

改善前後の温度

こちらは第一段階の結果であり、途中結果です。
最終結果

3D MarkのTime Spyを実行した際の温度を測定。
改善前のグラボ温度が最小36℃ 最大70℃
改善後のグラボ温度が最小35℃ 最大71℃

グラボの温度はほぼ変わらず、という結果となりました。
ただ、ケース全体のエアフローが改善されたおかげか2.5"ストレージの温度が下がっているように思えます。

左が改善前、右が改善後です。

追加改善①(ヒートシンクとファンの幅詰め)

ファンとヒートシンクの隙間を狭めてみました。
方法としてはM3の長めのネジを用意してネジとファンの間に大量のワッシャを入れるという、いい加減な方法です。

↓変更前後の画像

これでもまだ隙間のある状態ですが、この実験により温度改善の効果が見られたため最終的にはちゃんとしたスペーサーを使用して更に詰めていきたいと思います。

【再追記】
スペーサーを使用して更に詰めてみましたが、結果はほぼ変化なしでした。

追加改善②(簡易ダクトの取付)

【問題発生】
スペーサーで幅を詰めましたが、1時間以上負荷のかかる状態が続くとGPU温度が85度近くまで上昇してしまいました。
これは ファンと吸気口が遠いために冷たい空気を充分に吸い込めずに負荷のかかった状態が続くと熱がこもり冷やしきれないことが原因のようです。

【対策】
隙間テープでファンの周りを巻いて吸気口~ファンの間は一方向にしか風が流れないようにしました。簡易ダクトというところです。

(注)これは使用しているPCケースのエアフロー構造によるため、あくまで一例となります。
ただ、吸気口からグラボヒートシンクに直接空気をあてるとかなり効果があるということが分かりました。

最終結果(温度グラフ)

違いを分かりやすくするためにグラフ化しました。
FF15ベンチマークを3周回したときの改善前後の温度のグラフになります。

ファン交換前から 最終的にファンの最大温度が7度低下の改善が見られました。

 

上のグラフを説明すると、
灰色:改善前
青色:ファン交換後、少しヒートシンクに近づけた状態
オレンジ:そこから更にファンとヒートシンクの隙間を詰めた状態
黄色:ダクトを付けた状態

灰色→青色で最大温度を見ると4度低下しています。(73度→69度)
青色とオレンジはほぼ変化無し。つまり、ファンとヒートシンクに「少し隙間がある状態」と「ほぼ密着した状態」では差がないと考えられ、ある程度ファンをヒートシンクに近づければファン交換の効果が得られそうです。 
ただ、ファンを近づけることで2.5”ストレージの温度低下という恩恵はなくなったように思えます。(私の使用しているケース「Node 202」特有の現象なので気にしなくてよいですが。)

そして、黄色の「簡易ダクト追加」の結果、 最大温度は66度まで低下。
グラフを見ると黄色だけ温度の上昇が緩やかなのも見て取れます。
更に、この状態で1時間PCゲーム「War Thunder」をプレイして負荷のかかる状態を継続したところ、最大温度が75度程度まで抑えることができました。

まとめ

実は以前からやってみたかったグラボのファン交換ですが、結果的に静音化+温度改善に成功しました。
やってみて分かったのはファンとヒートシンクの隙間が大きいと、(おそらく)フィンの隙間の熱い空気を上手く押し出せずに温度が低下しにくくなるのだろうと考えています。

最終的に最大温度7度低下という驚きの結果となりました。

先にも述べたように 吸気口から直接ヒートシンクに風をあてることがかなり効果あるようです。
ATXケースなどでグラフィックボードのファン交換をする場合にはエアフローがやはり重要になってくるでしょう。

静音性という意味ではさすがnoctua、明らかに静かになりました。

画像仮置き

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