小型Mini-ITXケースでの自作PCの組み方。初心者向けに丁寧に説明していきます。

2020-02-14

小型PCが流行っている昨今(実際のところどうなのか知りませんけど。)、中には初めての自作PCが小型PC(Mini-ITX)という人もいることでしょう。
そんな人に向けて【初めてでも出来る!Mini-ITXで自作PC(ただし難易度は高い)】という目線で自作PCの組み方記事を書いてみました。

ただ、初自作がITXという人に言いたいのは、【小型PCじゃないと置き場がない】【どうしてもかっこいい小型ハイスペックPCが欲しい!】【ITX王に俺はなる】というような人でない限り、初自作で小型自作PCというのはお勧めしません。
大前提として小型Mini-ITXケースでPCを自作するというのは難易度が高く、自作PCに慣れていたとしてもまず間違いなくイライラする個所があります。

というところです。
一応安心して欲しいのは、難易度は高いけど、決して出来ないものではないのでビビり過ぎる必要はないかなと思います。

今回、初めての自作PCがITXケースという稀有な方に向けての記事という目的に書きましたが、予想以上に長くなってしまいました。
約1週間掛けて書いた記事で間違いや不整合などあると思いますので、ご指摘大歓迎です。

*画像はクリックすることで拡大できます。

目次

使用パーツ紹介

今回組んだPCで使用したパーツを紹介していきます。
小型PCとしてのキモはやはりケースで、今回使用したのはGEEEK A40という容積11.6Lのケースとなっています。
日本では基本的に個人輸入して購入するケースであるため入手性はあまりよくありませんが、小型PCの組み方の基本という意味ではどのケースを使用してもおおむね共通しているので、GEEEK A40を使用して解説していきます。

CPU AMD Ryzen 3700X
グラフィックボード MSI Radeon RX 5700 MECH OC
メモリ Corsair DDR4-3200 8GB x 2(16GB)
マザーボード ASUS ROG STRIX B450-I GAMING
CPUクーラー CRYORIG C7 RGB
PSU Silver Stone SST-SX600-G V2
SSD① WD M.2(NVMe) Blue 500GB
SSD② WD M.2(SATA) Blue 500GB
SSD③ WD 2.5” Blue 500GB
HDD 東芝 2.5” MQ04ABD200 2TB
吸気ファン(底部) noctua NF-A9 PWM
排気ファン(上部) noctua NF-A9 PWM x 2
ケース GEEEK A40

PCパーツズラリ

準備

使用する道具

組み立てに必要な工具という意味では、プラスのネジ締めドライバーが一本あれば組立てられます。
ただ、ドライバーは何種類か用意しておいた方が良いです。
特にITXケースの場合、狭い場所のネジを締めることもあるため、長くて細めのネジ締めドライバーがあると便利です。

そのほか、外したネジを入れておく小さなケースがあると便利です。

画像左下のドライバーは精密ドライバーなのでPCの組立てには基本的に使用せず、パーツをばらす時などに使います。
一本こういうものを持っていると意外と役に立ちます。

ネジの種類

PCパーツを組み立てる際に使用するネジはミリネジとインチネジという2種類が使用され、またそれぞれ色々な長さのものが用意されています。

ネジ参考画像

画像左のネジの山が細かいのがミリネジで、山が粗い(少ない)のがインチネジとなります。
また、それぞれ太さ(径)と長さが異なるため、パーツ毎に専用という訳ではありませんが使用するネジというのは基本的に決まっています。

そのため、PCケースやマザーボード、電源など各PCパーツに付属されているネジをそれぞれの取説通りに使用しましょう。
ミリネジとインチネジを間違えるとネジ穴を潰してしまう危険がありますので、そこは特に注意する必要があります。

その他

PCパーツは静電気に弱い為、特に冬場は帯電しやすい服装はさけて作業開始前にはドアノブを触るなどして放電しておきましょう

PC組み立て用などに静電気防止手袋というものも販売されてはいますが、作業性が悪くなるため個人的には好みではありません。
ただ、作業性の悪化よりも静電気によるパーツ破損を気にするのであれば、静電気防止手袋を使用するというのも大いにアリだと思います。

逆に夏場の場合、静電気の発生のリスクは減りますが気温が高くて汗がパーツに落ちるというリスクが発生します。
冷房を充分に効かせるなど、汗を落とさない対策をしましょう。

マザーボードへのパーツ取付

ここからPCの組み立て本番となりますが、まずはマザーボードの準備段階です。
PCケースへのパーツ取付の前に、まずはマザーボードへ搭載するパーツを全て取り付けていきます。

ATXケースなど、大きなケースであればパーツを後から取り付けることも可能な場合がありますが、ITXケースの場合は出来ないと考えたほうが良く、事前にパーツは全て取り付けたうえでケースにマザーボードを固定していきます。

各パーツを取り付ける前に画像を使って簡単にマザーボードの説明をしておきます。
マザーボードという名前だけあって、これがPCを自作する上での母艦ともいうべき基板でここに各パーツや電源ケーブルなどを取り付けていきます。

これが今回使用するマザーボードASUS「ROG STRIX B450-I GAMING」の表面になりますが、主要パーツの取付位置はそれぞれ①CPU取付ソケット ②メモリスロット ③PCIeスロット(主にグラボで使用)となります。

③のPCIeスロット(画像暗くてごめんなさい)に関してはCPUに内部GPU(iGPU)が搭載されていればグラフィックボードが必須というわけではなく、何も取りつけないか他のPCIeスロット対応のパーツを取り付けるということも可能です。

最近はそれ以外にM.2 SSDを取り付けられるスロットが1~2個あり、ストレージはM.2 SSDのみで2.5インチ(SSD,HDD)や3.5インチストレージ(HDD)を搭載しないという構成にしている人もいるようです。

CPU

CPUの取付はIntel用CPUとAMD用CPUで取り付け方が異なりますが、今回はAMD用のAM4ソケットを使用した場合の取り付け方を説明します。

CPUを取り付ける前にCPUに付属しているAMD純正CPUクーラーなどを取り付けるためのブラケット(固定パーツ)とバックプレートを外していきます。
CPU付属のクーラーを使用する場合にはこの工程は不要です。

赤枠部分が部分がブラケット(表面)とバックプレート(裏面)で、これらは今回使用しないため外してしまいます。

それでは、CPUを取り付けていきましょう。

マザーボード中心にあるCPUソケットにCPUを取り付けていきます。

CPUソケットの脇にレバーがあるのでこれを上げてCPUをソケットに乗せていきますが、向きがあるため気を付けましょう。

見づらいのですが、この画像赤丸部分に△マークがあります。
CPUにも同じような△マークがあるので、同じ位置に来るようにCPUを乗せていきます。

向きを合わせてCPUを乗せた状態です。
CPUの△マークはRyzen 3000シリーズだとかなり小さく分かりづらいと思います。

CPUを乗せたら、忘れずにレバーを下げましょう。
この時レバーが下がりにくかったり違和感を覚えた場合にはCPUの取付向きなどを再確認することをお勧めします。

以上でCPUの取付は完了です。
この後CPUの上にクーラーを固定していきますが、その前にメモリを取り付けて干渉がないことを確認します。

メモリ

次にメモリを取り付けていきます。

こちらが今回使用するメモリです。LED付きのヒートスプレッダでメモリが挟まれていて背が少し高いメモリです。

では、メモリを取り付けていきます。

メモリの取付位置はマザーボードの説明でも記載した通り、ここの赤枠部分です。

メモリスロットの端にラッチと呼ばれるメモリを固定するためのレバーがあります。
このラッチはマザーボードによってはスロットの片側のみにあるものと両側にあるものが販売されています。

今回は片側ラッチです。

このラッチを矢印方向(外側)に倒してから、メモリの切り欠き部分をスロットに合うように挿していきます。
メモリには向きがあるので間違えないようにしましょう。

こちらがメモリを取り付けた状態です。

このメモリを挿し込む時の注意点ですが、初めての場合【こんなに力をいれて大丈夫か??】と感じるぐらい固いです。
①ラッチが倒れている ②メモリの挿入向きが合っている この2点を確認してから真っすぐに上から押し込みましょう。

メモリが奥までささると先ほど開けた(倒した)ラッチが自動的に戻る構造になっています。

CPUクーラー

次にCPUクーラーを固定していきます。

が、まずはそのまま乗せて見てパーツとの干渉(特にメモリ)が無いかを確認しましょう。

確認ポイントとしては赤丸部分を中心に全体を見て行きます。
各パーツの干渉が無いことを確認したら、CPUにグリスを塗っていきます。

(注)他のCPUクーラーの画像を使用しています。

グリスを塗る前に忘れずにやるのが、CPUの受熱ベース(CPUと接触する金属部分)に貼ってある保護シールを剥がすことです。

今回使用しているCPUクーラーは既に剥がした後であったため他のCPUクーラー(ID-COOLING IS-50X)の画像になりますが、CPUクーラーの受熱ベース上の画像のように保護シール(Warningと書かれているやつ)が貼られています。

この保護シールは忘れずに剥がしましょう。

今回使用するグリスはこちら。通称猫グリス「SMZ-01R」です。これをCPUに塗っていきます。

グリスの塗り方ですが、これは【人による】としか言えません。
マスキングテープとカードなどを使用して綺麗に薄~く正方形に塗る人もいますが、私の場合は真ん中に米粒ぐらいのグリスを置いて、対角線まで伸びるように米粒の周り四すみに少し置くような形にします。
(大雑把なので。)

このグリスのように非導電性(電気を通さない)グリスであれば、最終的にCPUクーラーを取り付けた時にグリスが少しはみ出すぐらいがちょうど良いかなと思っています。

この後、CPUクーラーを改めて乗せていきます。

先ほどと同じ画像

CPUクーラーを乗せた後、塗ったグリスを伸ばすために軽ーく手で押さえつけながらグリグリして伸ばします。

CPUクーラーを乗せた後はCPUクーラーごとマザーボードをひっくり返していきます。
この際、CPUクーラーが落ちたりしないように気を付けましょう。

今回使用するクーラー「CRYORIG C7」は裏返した後にナット4つで固定していきます。
この固定方法はCPUクーラーごとに異なりますので、クーラーの取説をしっかり読みましょう。

ネジ(ナット)の締め方の基本となりますが、ネジを締める順番は画像の順番のように対角線で少しずつ締めていきます。
これはネジの締まり方を均一にするためで、一本ずつ一気に締めていくとクーラー(に限らずですが)が傾いたり、一か所に負荷がかかってダメージを与える可能性があります。

CPUクーラーを取り付けたら電源ケーブル(とRGBケーブル)をマザーボードに挿していきます。
「CRYORIG C7 RGB」はLEDを搭載しているため電源ケーブルだけではなく、RGBケーブル(12V 4ピン)の2本がCPUクーラーから出ています。

この2本のケーブルをそれぞれマザーボードの所定のコネクタに挿していきます。
「ASUS ROG STRIX B450-I GAMING」は画像赤枠部分の【CPU_FAN】ヘッダーにファンケーブル、【RGB】ヘッダーにLED用ケーブルを挿します。

ファンケーブルのヘッダー(マザボ側の挿すところ)は今回3種類【CPU_FAN、CHA_FAN、AIO_PUMP】がありますが、CPU_FANヘッダーにはCPUクーラーのコネクター、CHA_FANにはケースファン、AIO_PUMPには水冷クーラーのポンプ用コネクターを”基本的には”挿していきます。
正直ファンであればどのヘッダーに挿しても回転しますが。

ただ、それぞれ制御方法が微妙に異なったりするので指定通りの使用方法が無難です。
(今回AIO_PUMPヘッダーにはケースファンつなげますが。)

なお、ファンのコネクターは決まった向きにしか刺さらないので安心してください。

RGB用のヘッダーは5V 3ピンと12V 4ピンが用意されていますが、これは接続するLEDの仕様に合わせて接続する必要があります。
そこはLEDを搭載したファンはLEDテープなどの取説を確認しましょう。
ヘッダーが足りない!という状況も発生するかもしれませんが、その場合は分岐ケーブルなども販売されているのでそれらを使用するのが良いでしょう。

また、LEDのコネクターには向きがあり上の画像赤丸部分のように(見えづらくてすみません。)矢印マークがあります。
この矢印をRGBヘッダーの5Vもしくは12Vと書かれた方に合わせて挿す必要がありますので注意しましょう。

こちらがファンケーブルとLEDケーブルを挿したCPUファンの取付が完了した状態です。

M.2 SSD

次にM.2 SSDを取り付けていきますが、構成によっては使用しない場合もあるので、無視しても構いません。

M.2 SSDについて簡単に説明

M.2 SSDは近年主流となってきた小型のSSDであり、基本的にはマザーボードに取り付けるためのスロットがあります。

M.2といっても接続方法が2種類存在していてNVMe(PCIe)タイプとSATAタイプがあり、NVMeは速度が速い代わりにSSDの温度があがりやすく、SATAタイプは速度はNVMeほど速くはないものの温度があがりにくいため扱いやすいというそれぞれの特性があるので、使い分ける必要があります。

特に小型Mini-ITXケースではマザーボード裏面などは廃熱が苦手なことが多々あり、NVMeの搭載はあきらめる必要がでてくることもあります。
マザーボード表面であればヒートシンクも取り付けやすく、エアフロー(空気の流れ)も良いのでNVMeを使用できることが多いです。

今回使用するASUS ROG STRIX B450-I GAMINGは表面と裏面に1枚ずつM.2 SSDが取り付けることが可能で、表面はSATA接続のM.2のみ対応、裏面はNVMe/SATA両方対応しているという仕様となっています。
一応、裏面にNVMe SSDを取り付けてはいるのですが、メインで使用することは現時点では想定していません。

M.2 SSD取り付け

それでは、まずNVMe接続のM.2 SSDを裏面に取り付けていきます。

マザーボード裏面のM.2 SSD接続部分です。
画像では見切れていますが、M.2 SSDを取り付ける際には高さを調整するためのスペーサーを取り付ける必要があります。
(この辺りはマザーボードの仕様によります。)

スペーサーを取り付けた状態です。
M.2 SSDを取り付けていきます。

M.2 SSDをスロットに挿すとこのような斜めにぷら~んと取りつきますが、これが正常です。

斜めに取りついたM.2 SSDを指で押さえつつ専用のネジで固定します。
これでマザボ裏面のM.2 SSD取り付けは完了です。

可能であれば、このようなヒートシンクを貼り付けると発熱の多いNVMe SSDには効果があります。
今回使用したケースGEEEK A40の場合はパーツとの干渉で取り付けられませんでした。

次はマザーボード表面のM.2スロットにSSDを取り付けていきます。

ここには最初からヒートシンクが取り付けられているため、まずはこれを外します。
外すネジは赤丸2か所です。

こちらがヒートシンクを外した状態となりますが、マザーボード裏面と取り付け方は一緒です。
スペーサーは既に付いているのでそのままSSDを挿していきます。

当たり前ですが、裏面と同様で挿しただけの状態では斜めになります。(正常です。)

これを指で押さえながら専用のネジでしめていきます。

そこへ元々取り付いていたヒートシンクを閉じてネジをしめて完了です。

ケースへのPCパーツ取付

いよいよケースへ各パーツを組み込んでいきます。

最初に取り付けていくのは(基本的には)マザーボードではなく電源です。
前の項でマザーボードを準備しましたが、ここは我慢しましょう。

ケースによってはマザーボードを先に取り付けても問題ないか、むしろその方が良い場合もあるかもしれませんが、基本的に電源というのはケースの中で意外と大きく、またケーブルもあるので先に取り付けた方が楽な場合が多いと思っています。
というか、マザーボードを先に取り付けた後にいざ電源を乗せようと思ったら狭くて取り付かない・・・なんていうこともITXケースでは良くあることです。

主要パーツ取り付け位置

まずは今回使用するケースGEEEK A40の主要パーツ搭載個所を確認していきましょう。

画像だとわかりにくいのですが、マザーボードは4本の六角支柱に固定します(①)。 そして、電源はケースの一番底の部分(②)に取り付けていきます。
③の位置には2.5インチストレージが取り付きますが、ここは取り付け順序としては最後になります。

グラフィックボードは画像に映っていませんが、このケースの場合にはライザーケーブル(PCIeの延長ケーブル)を介してマザーボードの裏側に取り付けることになります。

電源の取付

それでは、電源を取り付けていきましょう。

今回使用する電源はSilverStoneの「SST-SX600-G」です。
SFX規格サイズ(小型電源)で最大消費電力600WのGold認証電源(電流の安定性みたいなものでStandard→Bronze→Silver→Gold→Platinum→Titaniumの順で安定性が高い。)のものを使用しています。

Gold認証うんぬんよりも内部コンポーネントで105℃コンデンサーなどのより品質の高い部品を使用して耐久性が高いか、ということのほうが個人的に重要だと思いますが、今回は割愛します。

ITXケースの場合、認証などの規格よりも重要なのがプラグインタイプかどうか、というところかと思います。

これが今回使用する電源のケーブル接続部の画像ですが、ケーブル接続方法というのば大まかに3種類あり、この電源のような、全てのケーブルが取り外しできる(=不要なケーブルを繋げなくていい)いわゆる「フルプラグイン」タイプ、全てのケーブルがひとまとめに電源から出ている「直出し」タイプと一部のケーブル(24ピンとEPS8ピンなど)が直出しで他がプラグインになっている「セミプラグイン」タイプの電源があります。

ITXケースの場合、余ったケーブルの収納場所(隠す場所)が少ないため、「直出し」タイプは避けて、少なくとも「セミプラグイン」タイプを選定するのが無難です。

ただ、価格的には「直出し」<「セミプラグイン」<「フルプラグイン」となるので、そこはお財布とも相談しましょう。
小型PC向けのSFX電源だとそもそも選択肢が少ないのですが、ATX電源といわれるフルタワーケースに搭載するような電源に対応しているITXケースも比較的あるので、情報として頭の片隅に置いておくと役に立つかと思います。

前置きが長くなりましたが、電源を取り付けていきましょう。

上述しましたが、「フルプラグイン」タイプの電源の場合には必要なケーブルを挿す必要があります。
とりあえず必須なのが、マザーボードへの電源供給用の①メイン24ピンとCPUへの電源供給用の②EPS8ピンであるため、ここはさっさと付属の電源ケーブルを接続してしまいましょう。

主にグラフィックボードの補助電源で使用する③PCIeと④の(主に)2.5インチストレージ用のSATA用6ピンは不要であれば接続しないほうが、最終的に配線がスッキリするので良いです。

今回は③PCIe8ピンと④SATA用6ピンの一本を接続していきます。

ケーブルの種類が所見だと分かりづらいかもしれませんが、↑の画像の用に各種電源ケーブルはコネクタの形(四角や6角など)によって、専用の個所にしか挿せないようになっているので、安心して挿していきましょう。
逆に挿しにくいかな?と思った場合にはコネクタの形状を確認すると良いかと思います。

今回はこのように接続しました。SATAを1か所余らせて他は全て接続した状態です。
これを上述のケース内電源搭載個所に取り付けていきます。

まずは感触として位置合わせをしてケースの外側からネジ固定していきます。(赤矢印)

画像赤丸部分をインチネジで締めていきます。インチネジかどうかは電源およびケースの取説をしっかり読めば間違いが減ります。
(実際こんなところでネジを間違えるという凡ミスを犯したりするんですけどね。)

4本ネジを固定した状態です。

固定した後のケース内部の状態です。
ここから次にマザーボードを取り付けていきます。

各種ケーブルはぶらんぶらんの状態ですが、最後に接続していくので現時点では放置です。

電源のケーブル使いまわしについて

本題から外れますが、注意喚起として書いておきます。

電源を使用する際の注意点として、電源に付属しているケーブルは各メーカーで専用のピン配列(各々の線の並び)になっていることがあり、例えば違うメーカーの電源を購入したときに以前使用していた電源のケーブルを使いまわす、ということをすると最悪パーツを壊します。
テスターを使用してピン配列を自分で入れ替えたり改造できる人以外はケーブルは使いまわさないようにしましょう。

初自作で手持ちの電源が一つしかないということであれば、この辺は全く気にする必要はありません。

マザーボードの取付

ここから、前の項でCPUやメモリなどが既に取り付けたマザーボードをケースに搭載していきます。

今回使用するケースGEEEK A40は↑画像赤丸部分の六角支柱4本にマザーボードを固定していきますが、その前にまずはI/Oシールド(ケース背面に取り付けるカバーのようなもの)を画像→側の赤枠部分にはめていきます。

これがI/Oシールドです。
これをケースのマザーボードI/O(USBポートや映像出力ポートなど)が来る面に先に取り付けていきます。

ここにはめます。

こんな感じではめていきますが、はめるときに軽く「カチッ」とはまるような感触があるので、しっかりと固定しましょう。
ケースによっては強く押さないとはまらないもののあります。

外側から見るとこうなります。

I/Oシールドをはめたら、いよいよマザーボードの取付作業になりますがここは少しコツがあり、先ほどはめたI/Oシールドの穴にマザーボードのでっぱり(多くの場合無線アンテナのコネクタが一番大きい)がはまるように斜めに差し込んでいきます。

しっかりと位置が決まったらマザーボードをネジで固定していきます。
固定個所は4か所で画像赤丸部分になります。(一か所はメモリで隠れてしまっています。)

以上でマザーボードの取付は完了です。

グラフィックボードの取付

最後の主要パーツとなるグラフィックボードを取り付けていきます。

通常はPCIeスロット(画像赤枠部分)にグラボを挿すだけなのですが、今回使用しているケースはライザーケーブルと言われるPCIeの延長ケーブルを介してマザーボード背面にグラフィックボードが来るような形になります。

これがライザーケーブルを挿した状態のマザーボード背面です。
最終的にはライザーケーブルをケースの所定の個所に固定して、そこにグラフィックボードを挿していきます。
グラフィックボードの挿し方についてはライザーケーブルを介さない場合でも同様です。

要は、↑画像の③と今回グラボを挿すスロットが同じ役目というか、延長しただけなので同じものです。

では、グラフィックボードを取り付けていきましょう。
(ライザーケーブルを介していますが)PCIeスロットの端にあるラッチを倒していきます。

このラッチの倒し方とグラボの挿し方はメモリの時と同じような感覚ですが、グラボそのものはメモリよりも挿しやすく簡単だと思います。

これがグラフィックボードを挿した状態です。

グラフィックボードをスロットに挿した後、映像出力側を固定していきますが、この固定方法はGEEK A40の場合少し特殊で、画像赤枠部分に専用の固定ブラケットをはめていきます。
(一般的な固定方法は別途アップします。)

このような樹脂の板で固定していきますが、これはGEEEKのケース特有のものなのであまり参考になりません。

グラボの固定ができたら、最後にグラフィックボードの補助電源ケーブルを挿していきます。

こちらの画像はケースを上から見た状態ですが、赤枠部分に8ピンのソケットがあるのが見えます。
グラフィックボードの消費電力(TDP)によっては、そもそも補助電源が不要のものや、逆に8ピンが二つ必要なものもあります。
今回使用しているグラフィックボード「MSI RX 5700 MECH OC」は8ピンが一つなので、電源に取り付けたPCIe用8ピンケーブルをこのソケットに挿していきます。

最近の電源ケーブルは6ピンと8ピン両方に対応していうものが多く、上画像の用に6ピン+2ピンのような構造になっており、8ピンの場合はこの二つをくっつけてからグラボの補助電源ソケットに挿します。

こちらが補助電源を挿した状態で、以上でグラフィックボードの取付が完了となります。

2.5(3.5)インチストレージの取付

次は2.5インチか3.5インチのストレージを取り付けていきますが、もしM.2 SSDしか取り付けないのであれば、この工程は不要です。

今回のケースGEEEK A40では2.5インチストレージ固定用の板が用意されており、以下の画像の用に固定していきます。
ストレージの固定方法はケースによって異なり、場合によってはマザーボードやグラフィックボードよりも先に取り付けたほうが作業がしやすいということもあります。

画像では上にHDD,下にSSDを取り付けていますが、この状態では板が固定できなかったため最終的に上下を入れ替えました。

ストレージを固定したら、画像赤枠部分にSATA用の電源ケーブルと、通信ケーブルを接続しています。
2種類のケーブルを挿すというのがSATAの面倒なところですね。
この画像では電源から伸びてきているSATA用電源ケーブルを既に取り付けています。

裏から見るとこんな感じです。次に右の端子が露出している部分に通信ケーブルを挿していきます。

続いて通信ケーブル(ストレージとマザーボードを接続する)を挿していきます。

これが取り付けた状態です。
忘れずに上下のストレージ両方にケーブルを挿しましょう。

このまま通信ケーブルをマザーボードに挿していっても全く問題ないのですが、今回はケーブル接続の項で接続場所などを説明していきます。

ケースファンの取付

最後のパーツです。
ケース全体のエアフローを改善し、冷却効率を上昇させるためにケースファンをいくつか取り付けることが多いと思いますが、エアフローの詳細については奥が深いというか説明が長くなるので今回は割愛します。

今回はケース底部に92㎜角25㎜厚のファンを吸気で一つ、ケース天面に92㎜角25㎜厚のファンを二つ取り付けていきます。
ケースファンに関しては基本的には取り付ける順番はあまりなく、先に取り付けてしまっても問題ない事が多いかと思います。(もちろん、例外はあります。)

使用するファンは静音性(とお値段)が高いと評判のメーカーnoctuaのNF-A9 PWMを三つ使っていきます。

まずはケース底部への固定です。

ケースファンの固定は難しくありません。
画像ではケース底部に既に固定した状態ですが、4角をネジで締めるというだけなので作業的には特に問題ないかと思います。

天面のファンも同様です。

こちらも天板に既にファン二つを固定した状態で、ネジは画像で見ると反対側の面で固定されています。

各種ケーブルの接続

最後に、一部ケーブルは既に接続していますがそれ以外の各種ケーブルを接続していきます。
特にこの工程を最後まで温存する必要はなく、とりあえず繋げられるケーブルはつなげていってしまっても大丈夫ですし、この説明通りの順番に接続する必要もありません。

今回の説明では、この時点で【CPUクーラーのケーブル(ファン、LED)】【グラボの補助電源ケーブル】【SATA電源ケーブル】は既に接続されています。

ケーブル(コネクタ)によっては、他パーツとの干渉やケーブル引き回し修正などにより何度か抜き差しすることもあるでしょう。
そういった意味でも、部品を取り付けたらケーブルも挿してみる、で問題ないかと思います。

ただ、例えばマザーボードの電源24ピンコネクタなどは一度挿してしまうと抜きにくくなってしまうこともあるので、その部分で苦戦することはあるかもしれませんが、抜けないことはないのでがんばりましょう。
(というか、その抜きにくさなども含めて経験してみると良いかと。)

マザーボード用電源ケーブル

電源組み立てのところ内容がかぶっていますが、改めて説明します。

この画像の①メイン24ピンと②EPS 8ピンに取り付けたケーブルをマザーボードの決められた位置に挿していきます。

挿す場所は各メーカーのマザーボードでだいたい似たような位置にあります。
今回使用するマザーボードは上画像の位置にそれぞれ24ピンとEPS 8ピンのケーブルを挿します。

このような感じで挿して完了です。

電源スイッチ類の接続

ここからはケースの前部や上部などにある、いわゆるフロントポートにある電源スイッチやUSBポートなどの接続を説明していきます。

まずは電源スイッチとそのLED(電源ONで点灯)を接続していきます、ケースによってはこれ以外にリセットスイッチ、ストレージのアクセスランプなどのケーブルがケース内に既にある(はえている)ものもあります。
今回のケースは電源スイッチとそのLEDのみですが、それ以外のケーブルも接続方法は同じです。
マザーボードの取説をみてピンヘッダーの配列を確認する必要がありますが、意外とこのケーブル類、慣れていても向きを間違えたりします。

POWER SWが電源スイッチ、POWER LED+とPOWER LED-が二つで1セットになっています。

ヘッダーの場所はどのマザーボードも大体この辺りにあると思います。

接続方法については取説にかならずこのヘッダーの説明が記載されてあり、その通りに挿せば問題ありません。
今回のマザーボードの取説にはPWRBTN(電源ボタン)、PLED(電源スイッチLED)、RESET(リセットスイッチ)、HDLED(ストレージアクセスランプ)のピンの並びが書かれています。
+と-の指示がありませんが、その場合は+/-は気にせずに挿していきましょう。

上でも書きましたが、ここのピンヘッダーは小さいというのもあって取説を見ても挿し間違えることが割とあります。
【PC組み終わったけど、電源が入らない】という場合にはまずここが正しく挿してあるか確認することを推奨します。

なお、挿した後の状態の写真は撮り忘れました・・・。
(今後追加していきます。)

ケースファンケーブル

組立て工程で底部と天面に取り付けたケースファンのケーブルをマザーボード側に挿していきます。
(画像撮り忘れたので、今度貼り付けます。)

ケースファンの回転制御はPWM(パルス制御)という方法が主流であり、このケーブルは4ピンでファンの回転数を細かく制御することができます。
あとはDC(電圧制御)で電圧を上下させて回転数をコントロールするというものも最近は減ってきましたが、見かけます。こちらは3ピンケーブルになっています。

それ以外にも電源からペリフェラルで電源のみ供給して常にフル回転させるというものもありますが、もうあまり見ないので割愛します。

PWMとDC制御のケーブルはピン数は違うものの、マザーボード側のヘッダーが4ピンであればどちらも挿すことが可能です。

CPUクーラーの項目の説明と被りますが、今回使用するマザーボードは上画像の左からCPUクーラー用(CPU_FAN)、水冷ポンプ用(AIO_PUMP)、ケースファン(CHA_FAN)という並びになっています。

今回はCHA_FANに底部吸気用ファンを接続、AIO_PUMPに天面排気用のファン x 2を接続しました。
水冷ポンプ用となってはいますが、ファンをつなげても問題ありません。

また、複数のファンを1つのヘッダーに接続する場合は分岐ケーブルを使用することで複数のファンを接続することが出来ます。

例えばこのようなもので、一つのコネクターから2本ケーブルが出ていて2個のファンケーブルを挿せるようになっています。

USB 3.0ケーブル

次にフロントパネルから出ているUSB 3.0ポートのケーブルをマザーボードに挿していきます。

このようなケーブルがフロントポートから伸びてきているはずです。

このケーブルをUSB 3.0ヘッダーに挿します。上画像のピンの多い方がUSB3.0用、その下のピンの少ない方がUSB2.0用(後述)となっています。

こんな感じで取りつきます。

なお、このケーブルですが、意外と太くて硬いため内部空間の狭いITXケースだと結構邪魔です。
フロントパネルのUSBポートを使用しないのであれば、敢えて接続しないというの1つの手ですね。

USB 2.0ケーブル

これはUSB 3.0よりケーブルも細く扱いやすいのですが、最近のPCケースだとそもそもUSB 2.0ポートがないということも多いです。

この画像の左側がUSB2.0用のコネクタ、右側がオーディオジャック用のコネクタ (後述) です。

このケーブルを上画像赤枠に挿します。(挿した後の画像は撮り忘れました。)

オーディオケーブル

フロントパネルのオーディオジャックから伸びてきているケーブルです。

USB2.0と似たようなコネクタです。

取り付ける場所はこの辺り(赤枠)にあることが多い気がします。
狭いので挿しづらいのですが、がんばりましょう。

SATAケーブル

2.5(3.5)インチストレージの項で取り付けたパーツのSATA通信ケーブルを接続していきます。

今回使用のマザーボードでは赤枠(右側はメモリの裏のあたり)に合計4つ接続箇所があります。接続箇所と個数はマザーボードの仕様によりますが、少なくとも二つは画像右側の赤枠あたりにあります。

SSDや他のケーブル類などに気を付けつつ挿していきます。

この時点で大分ケーブルがぐちゃぶちゃになっていますが、小型ITXケースの場合、正直こんなものかと思います。
このケースの場合、ケーブルを見えにくくするスペースが一応あるのでまだマシな方です。

ケーブル最終チェック

以上でケーブルの接続が完了です。
メモリの隣はケーブル密集地帯になって結構キツキツになっているかもしれません。

最終的にこのように接続されました。

最後に各ケーブルが抜けていないかもう一度確認しましょう。
RGBケーブルやUSB3.0ケーブルは比較的抜けやすくなっているので気を付ける必要があります。

ケーブルマネージメント

ここはオマケ工程ですが、参考まで。
PCを組立てた後に配線を綺麗にまとめて、PCの見栄えを良くすることをケーブルマネージメントなどと言ったりします。

最近のATXケースの場合、裏配線スペースと言われる余ったケーブルを綺麗に収納できるスペースがケース裏側に用意されていることが多いのですが、ITXケースの場合一部を除いてそんなものは当然ながらありません。

今回使用したITXケース、GEEEK A40は裏配線スペースとは言えないまでも2.5インチストレージ裏にケーブルを見えにくくするスペースがあるので、今回やった方法を簡単にですが説明していきます。

2.5インチストレージ裏のケーブル収納スペース

全てパーツを取り付け、ケーブル類も接続された状態で2.5インチストレージにケーブルを詰め込んでいきます。

最終的にこのようになりましたが、大分雑ですし汚いですね。

ところどころ結束バンドでしばること(赤丸部分)でケーブルの経路をコントロールしたり、線がまとまるので見た目が良くなります。

結果

そして、2.5インチストレージで隠すとこのようになります。
中は汚いけど、充分隠せているのではないでしょうか。

反対のグラフィックボード側から見ても余計なケーブルは殆ど見えておらず、意外と上手に隠せました。

なお、他のケースの場合、電源周りにしか余り配線を詰め込むスペースがない、なんてことも当たり前です。

例えばこれはFractal DesignのNode 202というケースですが、電源周りにケーブルがぎっしり詰め込まれています。

完成

ここまで長い記事になるとは思いませんでしたが、ようやく完成です。

これが組立完了後の状態。

これが電源を入れて各種セットアップが完了してLEDが点灯している状態です。

まとめ

以上、「小型Mini-ITXケースで初めての自作PC」という視点で記事を書いてみました。

いざ記事を書いてみたものの万人向けの記事となるとやはり難しいし、画像が足りない(=説明も足らなくなる)という状況になってしまい、一度目の記事アップでは完成できないなと痛感しました。

説明しすぎてもくどすぎるし、説明不足ならそれはそれでダメですしこの記事の完成には時間がかかりそうです。
とりあえず今回は暫定記事として、画像と説明の追加をして完成度を上げていきたいと思います。

Widows 10セットアップ編も気が向いたら書きたいと思います。

スポンサーリンク