「GEEEK A30」8.4Lの小型ITXケースの紹介
GEEEKの小型Mini-ITXケースシリーズの「A30」を紹介していきます。
「A50」と「A40」を紹介してきましたが、今回紹介する「A30」は「A40」を更に小さくしたような小型ITXケースで容量は8.4Lです。
フットプリント(底面積)は「A30」が最も小さく305cm^2となっており、「A50」比34%減、「A40」比で14%減となっています。
価格は公式サイトで 49.9$(約5,500円)とかなりお手頃価格になっていますが、別途送料+(税金?)が掛かります。
このケースに限らず、GEEEKのケースは日本での入手が難しくなっていまして基本的にはGEEEKの公式サイトからの個人輸入となります。
そのため、本体価格とは別に送料と税金がかかります。実際の価格は$49.9+送料21$(最安)=$70.9。更にプラス10%ほどの税金がかかると想定した場合、トータルで$77.99=約8,600円で個人輸入可能だろうと思われます。(本体+送料で10,000円未満であれば、実際には日本の税金はかからずに送料に含まれている可能性もありますが、多めに換算しています。)
本ケース「A30の」注意点として、電源がFlex ATX規格のものに限られており、GEEEK純正の電源を除き、容量400Wほどまでしか選択肢がありません。
そのため、「小型ITXケースでハイスペックマシンを組む」というロマン構成が難しくなっています。
目次
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購入前の注意点
注意点として、GEEEKのケースは組み立て式となります。
自分で組み立てるので、本体価格と送料が安く済むのでしょう。
組立については以下の動画(A50組立て動画)が参考になります。
また、このケースにはライザーケーブルは付属しません。
購入時にオプションで追加(+$20)するか、別途自分で購入しましょう。
外観
非常に小さなケースですね。
参照:GEEEK
スペック
サイズ | W125 x H274 x D244mm |
材質 | アルミ(フレーム)、アクリル(サイドパネル) |
対応 マザーボード |
Mini-ITX |
搭載可能 CPUクーラー |
高さ50mm |
搭載可能 グラボ |
W211 x H124 x D45mm |
色 | 白/黒 |
シャドーベイ | 2.5” x 2 |
フロントポート | USB3.0 x 1,2.0 x 1, HD Audioジャック |
前面ファン | 無し |
後部ファン | 無し |
上部ファン | 80mm(25mm厚まで) x 2 |
底部ファン | 無し |
電源 | Flex ATX |
特徴
サイズ
画像を見ても分かる通り、コンパクトなケースです。容量で言えば8.4Lあり、超小型ケースの代表Dan cases「A4-SFX」の7.2Lに負けていますが、フットプリントの小ささで見た目の印象では「A4-SFX」よりコンパクトに見えますね。(それは「A40」も同様ですが。)
搭載可能CPUクーラー
搭載可能高さは50mmとなっていますが、CRYORIGのC7シリーズ(47mm)を狙ったかのようなスペックですね。
50mm以下となるとあまり選択肢はなく、C7シリーズやnoctuaの「NH-L9i」(37mm)、「NH-L9a」(37mm)、ID-COOLINGの「IS-30」(30mm)、「IS-40」(45mm)などが搭載可能かと思われます。
搭載可能グラフィックボード
搭載可能グラフィックボードの長さは211mmまでとなっており、基本的にショートモデルと言われている製品を選定することになるでしょう。
ただ、本ケース「A30」は電源に制限があるため、そもそもハイスペックグラボを載せることが出来ません。
そのため、TDPの低いグラボGTX1650以下を選定すればショートモデルでも十分に選べるのでは無いかと思います。
(ただし、GEEEK純正のPlatinum認証 600W電源を搭載する場合は除きます。)
搭載可能ケースファン
搭載可能なケースファンは上部に80mmが2個のみで、底部に吸気ファンが取りつかないのでエアフローはあまり良くなさそうですね。
その他
- サイドパネルはアクリルでガラスと比べると傷つきやすいので気をつけましょう。
- 「A50」にある黒のサイドパネルオプションはありません。
電源について
スペック表でも赤字で表記していますが、搭載可能電源が細長いタイプのFlex ATX規格の電源となっています。
GEEEK純正のFlex ATX電源
GEEEKではFlex ATX電源も発売されており(製品ページ)、$69.00~$195.00の範囲で各種取り揃えてあります。その中でも特筆すべきは一番グレードの高い$195.00の電源で、【80 PLUS Platinum】認証を受けており、更に容量も600Wという Flex ATX電源にして、かなり品質の高そうなものが用意されているところでしょう。
ただし、電源内部コンポーネントの詳細は不明です。
ちなみに、$195.00となっていますが、更にオプションで冷却ファンをnoctuaにしたり、ケーブルの種類を選択できたりとなっており、オプションを追加すると更に数十ドル加算されるため、$200越えの価格になります。
それ以外の市販Flex ATX電源
GEEEK純正品電源以外でかるく調べたところ、以下のSilverStoneの電源(350W Gold認証)かFSP(400W Gold認証)辺りがFlexATXで搭載可能です。
ライザーケーブルについて
「A50」と「A40」のページにも記載し重複してしまいますが、ライザーケーブルについての説明です。
公式サイトにFAQがあり、以下の問答がありました。
Q: Can I use my PCI-E Riser cable with your case?
参照:GEEEK
A:Since the specs. may be different from other PCIE riser suppliers, such as: mounting holes location, direction, length, etc. We are not able to guarantee other PCIE riser cables can fit in our pc cases, therefore, we will suggest you to purchase the PCIE Riser cable from us.
【個人的意訳】
Q:個人持ちのPCIeライザーケーブル使える?
A:サプライヤー(ケーブルメーカー)や 取付穴位置、向き、長さなどがケースの仕様と合わない可能性があります。他のPCIeライザーケーブルを取り付け出来るかどうかは当社は保証できません。そのため、当社としては純正ライザーケーブルを購入することをお勧めします。
とのことです。
基本的にはライザーケーブルはマザーボードのPCIeスロットとグラフィックボードを接続するためのものなので、ライザーケーブルそのものの固定方法と向きに関してはあまり気にしなくてよく、重要なのは長さとケーブルの仕様(メーカーなど)かと思います。
(向きはケーブルによってネジる必要が出てくるかもしれませんが。)
個人的には詳細仕様不明なライザーケーブルを使うよりは自分で選んだものを使用したいですね。
ちなみに、本シリーズ用の純正ライザーケーブルはPCIe x16 180mmで20$となっています。
(一応、A40 V2.0が発売(10月末)された時にライザーケーブルも一緒に購入予定です。詳細仕様についてはお待ちください。11月以降に情報アップする予定です。)
価格と送料など
価格については冒頭で示したとおり、本体$49.9+$送料21で税金が10%取られるとして合計約8,600円ぐらいで個人輸入可能だろうと考えています。
更にライザーケーブルを購入する場合には+$20となります。
↓参考までに東京まで送った場合の内容です。
(注)A30が品切れのため参考価格としてA50の値段を張ってあります。
購入方法
購入方法については本サイトのGEEEK「A50」紹介ページをご参照ください。
不明な点等ありましたら質問受け付けております。
まとめ
やはりこのケースのネックは電源がFlex ATXサイズしか搭載できず、GEEEK純正のPlatinum認証 600W電源を除いて電源容量が400Wほどに制限されてしまうところだと思いますが、そこは割り切って使うケースと考えれば良いのでしょう。
電源容量400Wの場合ハイスペックマシンを組むことはできませんが、例えばGTX1650などのTDP75Wグラボを軸に構成するPCであれば全く問題ないと思います。
補助電源も不要であるため、ケース内のケーブルが減るというメリットもありますし、無難な構成ではないでしょうか。
最大でもTDP120WのGTX 1660Ti搭載までにしておいた方が良いでしょう。
つまり、小ささと拡張性のトレードオフケースと言え、拡張性を犠牲にしてFlex ATX電源を許容できるかどうかが重要かと思います。
ただ、上述の通り、約$200のGEEEK純正600W電源を搭載すればスペックの幅はかなり広がり、TDP175WのRTX 2070あたりも載せることも'できないことはない'と思います。
(排熱には注意する必要がでます。)
本ケース「A30」の一つ上の「A40」が少しサイズは大きくはなりますが、SFX電源を載せられて拡張性も高く、価格差は$5という「A40で良いような気がする。」感が個人的には否めません。
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