ファンレスITXケースMonterLabo「The First」紹介。巨大ヒートシンク搭載の珍しいケース

2020-01-03

今回紹介するのは非常に珍しいファンレスITXケースで、MonsterLaboの「The First(製品ページ)」です。
かなり特殊なケースでCPUとGPU(グラボ)を冷却するための巨大なヒートシンクがケース内部に収められており、なんとヒートシンクだけで3kgあります。

この巨大ヒートシンクのおかげで、CPUクーラーやグラボのファンも含めすべてのファン無しでCPUはTDP100W、GPUはTDP120Wまで対応となっており、140mmファンを1つサポートで取り付けて500RPM(かなり静音)で回すとCPUは140W、GPUは160Wまで対応可能というなかなかの変態(誉め言葉)ITXケースとなっています。

なかなか紹介しがいのあるITXケースではありますが、当然ながら癖がかなりありますのでそのあたりも含め紹介していきたいと思います。

ちなみに、価格はヒートシンク込みのケースで349€(ユーロ)≒42,000円というかなり高価なケースとなります。
後述しますが、349€というのはデフォルト状態での価格であり、実際には色々とオプションが必須なケースとなっているため、最終的な価格はさらに上がります
(というか、最低輸送価格が429€となっているためデフォルト状態での購入は出来ません。)

日本へも輸送しているとのことで、金額さえ気にならなければ日本からの入手も一応可能なケースとです。

目次

外観

内部の見えない本当の外観だけ見るといわゆる煙突型のITXケースに見えますが、中身を見ると内部の半分以上がヒートシンクで埋まっているのが分かります。

引用元:MonsterLabo

スペック

サイズ W215 x D205 x H430mm
材質 アルミ/鉄
黒/白
対応マザーボード Mini-ITX
搭載可能
CPUクーラー
無し
搭載可能グラボ 270mm(基板のみ)
シャドーベイ 3.5" x 1, 2.5" x 3
フロントポート USB3.0 x 2、オーディオ、マイク
前面ファン 無し
後部ファン 無し
上部ファン 無し
底部ファン 無し
サイドファン 無し
電源 ATX,SFX-L,SFX(160mmまで)

特徴

サイズ

サイズは煙突型で約19Lとなっています。
ITXケースとしては大きい部類になると思いますが、半分以上がヒートシンクに占められていると考えればむしろ小さいと言えるかもしれません。

搭載可能マザーボード

通常であれば搭載可能CPUクーラーを説明していくところですが、ケースがケースだけに搭載可能なマザーボードも制限されるため、まずはそこを説明して行きたいと思います。

マザーボードはCPUソケットの位置が各メーカー、モデルごとに全く同じではないため「The First」のヒートシンクのCPUと接触するプレート部分が十分に接触できるモデルでないとケースの本領が発揮できないことになります。

ではどうするのかというと、公式サイトに「対応マザーボード、グラボリスト」が公開されていますので、実際にはその中からマザーボードを選定することとなります。

(ケースありきでそこからマザーボードを選定するというのは非常に珍しいですね。)

搭載可能CPUクーラー

搭載可能なCPUクーラー・・・当然ながらありません。
巨大ヒートシンクがCPUクーラーとなっており、120mmか140mmのサポートファンを取り付けることが可能で、それを取り付けることで対応TDPを上げることが出来ます。

強いて言えば、そのサポートファンがCPUクーラーでしょうか(?)
なお、サポートファンはSFX電源搭載時のみ追加可能とのことです。

搭載可能グラボ

搭載可能なグラボもマザーボードと同様かなり特殊であり、長さこそ270mmまで対応となっていますが、そもそもがグラボのクーラーを外した基板の長さで270mmということのようです。
そして、当然ながら(?)クーラーを外して基板のみを使用するという物凄い仕様です。

搭載可能マザーボードの項目でも記載しましたが、「対応グラボリスト」が公開されていますのでその中から選定していきますが、グラボの場合には更にそのモデルに対応したライザーケーブルか固定金具を選ぶことになります。

↓こんな感じ

引用元:MonsterLabo

この固定金具がまた種類が豊富で、各モデル(グラボ)に適した金具を選択する必要があるようです。
公式ページでチャットで質問ができるので、最低限の英語が出来る方であれば質問しながら選定するのが良いかもしれません。

映像出力などのI/Oポート

マザーボードとグラボがヒートシンクに囲まれてしまう構造になっているため、マザーボードのI/Oパネルを取り付けることもできず、グラボの映像出力ポートもケース内部に収納されてしまいます。

そこで採用されているのが、ケース背面(電源の隣)にあるバックパネルに必要なポートを延長して持ってくるという面白(トンデモ)仕様です。

引用元:MonsterLabo

この左画像の左側に必要なI/Oポートを持ってくることになりますが、右画像のようなカスタマイズ可能な3Dプリントタイプのものもあるようです。
(サイズが合わないように見えますが…?)
igorsLABというサイトに3DプリントタイプのI/Oパネルが使用されている画像がありました。特に問題なく取り付くようですね。

最終価格

さて、冒頭でも述べましたがデフォルト状態で349€(ユーロ)≒42,000円の「The First」ですが最終的にいくらになるのでしょうか。

まず、 「Premium Package」という、3DプリントI/Oパネルやnoctuaの140mmファン、専用ライザーケーブルUSB3.0ケーブル、HDMIケーブル、Ethernetケーブル(LANケーブル)各一本ずつなどが同梱されるセットがあり、こちらが429€≒52,000円となります。
(というか、429€以上でないと輸送してくれないそうです。)

そこから必要なUSBや映像出力ケーブルなどを購入して20~40€追加、更にグラボのVRMとメモリ冷却用ヒートシンクなども売られているため追加で約30€とすると、最終的な価格は479~499€で約60,000円というかなり高価になります。
必要なものがもっとあれば更にかかりますね・・・。

ちなみに、3DプリントI/Oパネルは要望に応じてカスタマイズ可能なようです。

その他

  • ヒートシンクのみの購入も可能。商品名「The Heart」
  • 外カバー無しモデルの購入も可能。自由にカスタマイズしてくださいということのようです。

まとめ

以上、MonsterLaboの「The First」紹介でした。
このケースを使用するのであれば、電源もファンレスにして是非とも無音化に挑戦してみたいところですね。

一応、公式サイトの対応グラボリストにRTX2080Tiも記載されていたりするので、このケースでハイエンドマシンを組むということも可能ではあるようです。
ただ、実際にRTX2080Tiを搭載する場合にはファンは必須となるでしょうが、それでも通常のファンよりもゆっくり回せそうなので、無音は出来ないにしてもかなりの静音化はできるかもしれません。

また、購入時の注意点としてかなり特殊というかカスタマイズ性のあるケースであるため、英語でのコミュニケーションが最低限とれないと、いざ注文してみても思っていたものと違う(特にI/Oパネル)とか、付属品が足りなかったとかいう状況になりかねないので、そこは気を付けましょう。
チャットやメールで質問しながら購入したいところです。

いや、それにしてもケースに6万円は高いです・・・。

ちなみに、「The First」ほどの拡張性はありませんが、似たようなコンセプトのケースでこんなのもあります。(やっぱり高い)

そのうち紹介するかもしれません。

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