RADEON 「RX 5600 XT」の長さ別モデル比較

2020-01-29

海外では2020/1/21、日本国内では1/25に正式に発売されたAMDのグラフィックボードRADEON RX 5600 XTの日本で発売されているモデルを長さ別にまとめてみました。
現時点で200mm以下のショートモデルは発売されていませんが、 ITXケースの場合にはグラボの大きさというのはかなり重要な要素になりますので、少しでも参考になれば幸いです。

「RX 5600 XT」については正式発表時にも記事を書いていますので、そちらもご参照ください。

そもそもの「RX 5600 XT」のスペックについてですが、RX 5700と同じコアが搭載されているからか、AMD公称のスペックと同じものがほとんどなく、メーカーによって vBIOIS(グラボのBIOS)のバージョンを上げることによってRX 5700と同等のクロックまで上昇されているものも存在しています。

スペックだけ見るとかなり良い所を責めている製品ではあるのですが、如何せん国内での発売価格が概ね4万円(税込)を超えており、海外での価格$279に対して非常に高い価格設定となっています。
そして、ものによっては上位モデルのRX 5700のほうが安いというある意味異常な状況となっていますので、焦ってRX 5600 XTを購入する必要はないと思っています。

目次

基本スペック

演算ユニット数 36
コア数 2304
ベースクロック 1130MHz
ゲームクロック 1375MHz
ブーストクロック 1560MHz
単精度
演算能力
7.19TFLOPS
ROPs 64
VRAM 6GB GDDR6
メモリバス 192bit
メモリクロック 12Gbps
メモリバンド幅 288GB/sec
PCIe 4.0
TBP 150W
TDP
推奨電源 550W
補助電源 8pin x1

こちらがAMDに公表されている基本スペックなのですが、搭載されているコアがRX 5700と同じであるからなのか、各メーカーから発売されているグラボによって性能が他のグラボと比較して異なります。

違うのは主にGPUクロックとメモリクロック、そしてそれに伴い消費電力が上昇しているものもあります。

300mm以下

ASRock RX 5600 XT Phantom Gaming D3 6G OC

引用元:ASRock
サイズ 290.6 x 126.5 x 53.1mm
ベースクロック 1530MHz
ゲームクロック 1670MHz
ブーストクロック 1750MHz
メモリクロック 12Gbps
TBP(消費電力) 不明
映像出力 HDMI 2.0b x1
DP1.4 x 3
補助電源 8pin x1

GPUクロックは上昇されていてメモリクロックは12Gbpsで上昇されていないモデルです。
このモデルに限らず、消費電力(TBP)については明記がありませんが、GPUクロックが上昇されているぶん消費電力も上がっていると考えた方が良いでしょう。

長さも300mmに近く厚みも53.1mmと分厚いので、搭載する際にはケースの仕様をしっかりと確認しましょう。

ASUS TUF 3-RX5600XT-O6G-EVO-GAMING

引用元:ASUS
サイズ 282.6 x 128.5 x 53.8mm
ベースクロック 不明
ゲームクロック 1615(1660)MHz
ブーストクロック 1750(1770)MHz
メモリクロック 12Gbps
TBP 150W?
映像出力 HDMI 2.0b x1
DP 1.4 x 3
補助電源 8pin x1

最近のASUSのグラボはOCモードとGamingモードを切り替えられるようになっており、動作クロックを変更することが出来るようになっています。
スペック表のカッコ内がOCモード時のクロックとなります。

OCモード時のブーストクロックは1770MHzまで上昇されており、「RX 5700」をわずかながらに超えています。
メモリクロックは12Gbpsで基本スペックから変更はありません。

このグラボもかなり大きく、特に厚みが53.8mmあるため要注意です。

Gigabyte RX 5600 XT GAMING OC 6G

引用元:Gigabyte
サイズ 279.85 x 114.35 x 49.55mm
ベースクロック 不明
ゲームクロック 1560MHz
ブーストクロック 1620MHz
メモリクロック 12Gbps
TBP(消費電力) 不明
映像出力 HDMI 2.0b x1
DP 1.4 x 3
補助電源 8pin x1

ブーストクロックが1620MHzまで上昇された3連ファン搭載のグラボです。

他の3連ファンモデルと比較するとクロックの上昇は抑えられています。

Sapphire PULSE RX 5600 XT 6G GDDR6

引用元:Sapphire
サイズ 254 x 135 x 46.5mm
ベースクロック 不明
ゲームクロック 1615MHz
ブーストクロック 1750MHz
メモリクロック 14Gbps
TBP(消費電力) 160W
映像出力 HDMI x1
DP x 3
補助電源 8pin x1

ゲームクロックとブースクロック、更にメモリのクロックが14Gbpsに上昇されているモデルです。

GPUクロックとメモリクロックが上昇されているためか消費電力(TBP)が160Wまで上げられています。

250mm以下

ASRock RX 5600 XT Phantom Gaming D2 6G OC

引用元:ASRock
サイズ 240.3 x 126.5 x 53mm
ベースクロック 1420MHz
ゲームクロック 1615MHz
ブーストクロック 1750MHz
メモリクロック 12Gbps
TBP(消費電力) 不明
映像出力 HDMI 2.0b x1
DP1.4 x 3
補助電源 8pin x1

GPUクロックがそれぞれ上昇されているモデルです。

厚みが53mmあるので、長さは良くても分厚過ぎてケースに入らない可能性がありますのでケースの仕様をしっかりと確認しましょう。

ASRock RX 5600 XT Challenger D 6G OC

引用元:ASRock
サイズ 240 x 126.5 x 53mm
ベースクロック 1420MHz
ゲームクロック 1615MHz
ブーストクロック 1750MHz
メモリクロック 12Gbps
TBP(消費電力) 不明
映像出力 HDMI 2.0b x1
DP1.4 x 3
補助電源 8pin x1

「RX 5600 XT Phantom Gaming D2 6G OC」と同じ基板を使用していて、ファンとブラケットだけ変更されたモデルだと思われます。
外観以外のスペックは同じです。

このモデルも53mmという厚みに要注意です。

PowerColor AXRX 5600XT 6GBD6-3DHE/OC

引用元:PowerColor
サイズ 240 x 118 x 52mm
ベースクロック 不明
ゲームクロック 1660MHz
ブーストクロック 1750MHz
メモリクロック 14Gbps
TBP(消費電力) 150W?
映像出力 HDMI x1
DP x 3
補助電源 8pin x1 + 6pin x 1

ゲームクロック、ブーストクロックが「RX 5700」と同等まで上昇させられており、メモリクロックも同じく「RX 5700」レベルまで上げられています。

おそらくですが、ここまでスペックが上昇しているのでTBP(消費電力)も150Wより大きくなっている可能性が高いでしょう。

また、このグラボは補助電源が 8pinと6pinがそれぞれ一本ずつ必要になります。
更に52mmと厚みが結構あるため、ITXケースの中には搭載できないものがありますので要注意です。

PowerColor AXRX 5600XT 6GBD6-3DHR/OC

引用元:PowerColor
サイズ 240 x 118 x 40mm
ベースクロック ?
ゲームクロック 1560MHz
ブーストクロック 1620MHz
メモリクロック 14Gbps
TBP(消費電力) 150W?
映像出力 HDMI x1
DP x 3
補助電源 8pin x1

ブーストクロックが1620MHz、メモリクロックが14Gbpsまで上昇されたモデルです。

消費電力については明記がありません。

MSI RX 5600 XT MECH OC

引用元:MSI
サイズ 231 x 127 x 46mm
ベースクロック 1235MHz
ゲームクロック 1460MHz
ブーストクロック 1620MHz
メモリクロック 12Gbps
TBP(消費電力) 150W
映像出力 HDMI 2.0b x1
DP 1.4 x 3
補助電源 8pin x1

ブーストクロックが1620MHzまで上昇されています。
発売直後時点でもっとも短いモデルとなりますので、購入するのであればITXケースに検討したいところです。

玄人志向 RD-RX5600XT-E6GB

引用元:玄人志向
サイズ
ベースクロック 1130MHz?
ゲームクロック 1560MHz
ブーストクロック 1620MHz
メモリクロック 12Gbps
TBP 150W?
映像出力 HDMI x1
DP x 3
補助電源 8pin x1

ブーストクロックが1620MHzまで上昇されたモデルで、比較的安価なモデルになります。

サイズについては明記されていませんが、形状からすると250mm以下だろうと推測します。

まとめ

ついにRX 5600 XTが発売されましたが、RX 5700(無印)と同じコアが搭載されているということもあり、RX 5700と同等のクロックまで上昇されているものもあります。
ただ、むしろその場合にはRX 5700との差がメモリのクロックとバス=バンド幅ぐらいしかなくなってしまうので、発売直後で価格の高いRX 5600 XTを敢えて買う必要が全く感じられません。

現にRX 5600 XTは発売直後の税込みで4万円越えているものがほとんどですが、RX 5700については既に4万円を切っているものもありますので、わずかな消費電力の差(RX 5700 185Wに対してRX 5600 XT 150~160W)のためにこの金額をだせるのか、というのが発売直後の状況だと思います。

ただ、ITX向けという観点で見ると250mm以下のグラボが多いのでその点は評価したいところです。

とりあえず言いたいのはAMD公称のスペックと同じものがほぼないのでむしろ分かりづらいなというところでしょうか。

ある意味、性能と価格のバランスがおかしい状態であるため意外と値下がりは早いかもしれません。
しばし静観しましょう。

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