ITXケースGEEEK 「A40」の開封~組立てレビュー

2020-03-03

先日、GEEEKの「A40」を使った【小型Mini-ITXケースでの自作PCの組み方】という記事を書きましたが、この「A40」のレビューを改めて書いていきたいと思います。

このケースの特徴として、

  • アルミフレームとアクリルパネルによる組み立て式
  • 日本では販売されておらず、台湾からの個人輸入

というものがあります。

購入方法自体は基本的な英語が分かれば特に難しくはありませんが、組み立て式というのが実際に組んでみたら意外と曲者でした。
後述しますが、アルミフレームの位置がどうしてもピッタリと合わないので最終的に少し歪んでしまうという問題がありました。

今回は実際のパーツを組み込まずにケース単体で一度全て組んでしまうので、マニュアルと順序が異なる箇所があります。

目次

完成画像

とりあえず、組立完了後の画像を参考までに貼っておきます。

このアクリル、結構テカっているため写真を撮ると色々反射してしまいます。

基本スペック

まずは基本的なスペックを確認していきましょう。
GEEEKのケースは頻繁に更新されており、私が2019年末に購入した時は「A40」のVer2.0でした。
現在(2020/2/23)はVer2.2となっているようです。
一応、GEEEK公式サイトに更新履歴(Change Log)という項目はあるのですが、内容が記載されておらずバージョンごとの細かい違いは不明です。

サイズ W135 x H300 x D261mm
材質 アルミ(フレーム)、アクリル(サイドパネル)
対応
マザーボード
Mini-ITX
搭載可能
CPUクーラー
高さ60mm
簡易水冷 92mmラジエーター対応(SFX電源搭載時のみ)
搭載可能
グラボ
245 x 135 x 48mm 
白/黒
シャドーベイ 2.5” x 2(12mm厚まで)
フロントポート USB3.0 x 1,2.0 x 1, HD Audioジャック
前面ファン 無し
後部ファン 無し
上部ファン 80mmか92mmファン x 2
底部ファン 92mm x 1
電源 SFX,SFX-L

これから購入する場合は気にしなくてもよいですが、Ver1.**からの大きな変更は底部ファンが80mmから92mmファン対応へ変更、SFX-L電源に対応、92mmラジエーターに対応というあたりでしょうか。
底部ファンが92mmに対応したというのは良いですね。

一応、92mmラジエーター搭載可能で簡易水冷にも対応してはいますが、正直なところ92mmラジエーターで水冷にするのであれば、特に水冷にこだわらない限りは空冷で全く問題ないと思います。

価格

本ケース「A40」は冒頭でも書いた通り、台湾からの個人輸入となります。
価格は購入当時、ケース本体が$54.9で純正ライザーケーブルが$20、送料が$21。合計$95.9で約11,000円でした。

これ以外に更に日本の税金を取られるかなと思いましたが、追加での税金はかかりませんでした。

開封

では、箱を開封していきます。

箱の外観としてはこんな感じなのですが、画像では分かりづらいもののケースが組み立て式であるため箱自体は結構小さいです。

内容物の確認

箱の中身を全て出してみました。

この画像ではネジなどの小物類も既に出した状態ですが、ネジや足、電源スイッチケーブルなどは別の箱に入っていました。

この小箱にネジ類が入っていました。

この箱には2次元コード(https://www.geeekstore.com/support/installations/)が記載されており、ここへアクセスすることでA40の組立てマニュアルを参照することができます。
マニュアルは英語か中国語のみで日本語のマニュアルはありませんが、絵で説明されているのであまり問題はないでしょう。

このマニュアル、所々間違っている個所がありましたが支障はない程度であるので、見れば分かると思います。
→改めてマニュアルを確認しましたが、以前より簡略化されて分かりにくくなっている気がします。

本記事では基本的にマニュアル通り組立てていく内容となりますが、分かりにくい箇所もありましたのでそのあたりは補足していきます。

組立てに必要なネジや六角支柱などはこのケースの中に入っていました。

組立て

保護フィルム剥がし

組み立てを開始する前にまずやるのは、アクリルパネルの保護フィルムを剥がすところです。
個人的やらかしポイント①です。

透明サイドパネルの保護フィルムはもちろん、黒や白のアクリルパネルにも保護シートが貼り付けられていますので全て剥がしてしまいましょう。
情けないことに、私の場合は黒や白のパネルの保護フィルムに気づかず、しばらくそのまま作業を続けてしまいました。

組み立て中に傷が付くのが嫌だったというのはありますが、途中まで組立てた後に「あ・・・この場所もう剥がせないじゃん・・・」という状態に陥り一部ばらす羽目になってしまいました。

これがフィルムを剥がす前のサイドパネル

これが保護フィルムを剥がしたサイドパネルです。

剥がすのが意外と難しいのですが、マイナスの精密ドライバーなど、薄いもので端から剥がすと多少やりやすくなると思います。
なお、ガラスと違ってアクリルは傷つきやすいので注意しましょう。

本記事の画像も途中まで保護フィルムが貼られた状態になっていますが、ほくそ笑みつつ見ていただければと思います。

ナット固定のコツ

このケースのアルミフレームへのアクリルパーツを固定するのに、アルミフレーム内にナット(後入れナット)を入れてねじ固定するという方法が採られています。

このナットがなかなかの曲者でアルミフレームに先に入れておいてもフレーム内で位置が固定しないため、先にナットを入れるという方法はお勧めしません。

ではどうするかというと、上の画像のように固定するアクリルパーツ側にあらかじめナットをゆるーく固定しておいて、ナットをフレーム側にならわせるようにしてネジを締めると比較的簡単に固定することができました。

黒と白のアクリルはナットがしっかりと90℃回ったか分からないのですが、この辺りは感覚でやるしかないかなと思います。

一応、マニュアルにもこのような指示がさらっと記載されています。

サイドフレームとリアパネル

それでは、組み立てを開始しましょう。
まずは、リアパネルにサイドフレームと2.5インチストレージ用のブラケットを取り付けていきます。
ブラケットは正面から見て右側のフレームに取り付けます。

このような感じでバックパネルに右側フレームと2.5インチストレージブラケットを取り付けます。
このブラケットの位置はこの時点では決まらないので仮止めしておきます。

アルミフレームのネジもこの時点では緩めに締めておきます。

ちなみに、このブラケットも保護フィルムが貼られていますので忘れずに剥がしましょう。
(画像はフィルムが貼られた状態で組み立ててしまっています。)

続いてリアパネルに左側フレームを固定していきますが、左側は縦方向のフレームがないためこの時点では下に一本固定するだけです。

最終的にリアパネルにもう少しフレームが固定されますが、とりあえずここまでの組み立てでこの状態からボトムパネルを取り付けていきます。

ボトムパネル

ボトムパネルを固定していきます。

こちらがボトムパネルで、これを先ほど組立てたサイドフレームとリアパネルへ
(なお、保護フィルム・・・)

これがボトムパネルを取り付けた状態です。
パネルの取り付けはナットとネジで固定するので、先に述べたようにあらかじめパネルにネジとナットを軽く固定した状態でパネルをはめていきます。

ボトムパネルを取り付けると赤丸内部のアルミフレーム固定ネジが締められなくなってしまうので、ボトムパネルを取り付ける前に極力真っすぐになるようにネジを締めていきましょう。

ここは個人的やらかしポイント②で、仮締めしていたアルミフレームを後から本締めしようとしたら、既にボトムパネルを取り付けた状態であったため、アルミフレーム本締めのためにボトムパネルを取り外す羽目になってしまいました。

更にこの時点でリアパネルとアルミフレームのネジ(赤丸部分)を本締めしてしまいましょう。

フロントパネルへのスイッチ類取付

とりあえずリアとボトムのパネルを組んだ状態で、そちらは放置しておきます。
次にフロントパネルへの電源スイッチやUSB、オーディオポート類を取り付けていきます。

電源スイッチ

まずは電源スイッチです。

赤丸部分のナットを緩めて一度外します。

こんな感じで緩めて一度抜き取ってしまいます。

そしてフロントパネルへスイッチを通します。

後はフロントパネル裏側から先ほど外したナットで固定していきます。
この作業は特に問題ないでしょう。

USBモジュール

続いてUSBモジュール(USB、オーディオポート)を取り付けていきますが、ここは少しマニュアルが分かりづらかったので補足してきます。

これがUSBモジュールです。

ピンボケごめんなさい

最終的にこの画像のようにネジ2か所(赤丸)で固定していきますが、注意点としてこのUSBモジュールとフロントパネルの間にスペーサーを挟む必要があるので気を付けましょう。

これがスペーサーです。
このスペーサーを挟みつつネジ締めは少し苦戦するかもしれません。

マザーボード、グラボ固定ブラケット

マザーボードとグラフィックボード(ライザーケーブル)を固定するためのブラケット=左側フレームの残り部分を組立て、取り付けていきます。

マザーボード用の六角支柱4本とライザーケーブル固定用の六角支柱2本をブラケットに固定します。

反対側から見るとこのようになります。
ネジを2種類使用するので間違えないようにしましょう。

このブラケットに更にアルミフレームを固定するのですが、写真を撮り忘れたため画像無しになります(ごめんなさい)。

アルミフレームをブラケットに取り付けた後、ケース上部と真ん中やや下側に固定していきます。

ここまで来ると完成が見えてきましたね。

トップパネル

この辺りからマニュアルと組立順序が異なります。
本来、マニュアル通りだとトップパネルを取り付ける前にライザーケーブルを固定していきますが、今回はトップパネルを先に取り付けてしまいます。

これがトップパネルを取り付けた状態になりますが、パーツを組み込んでしまうのであれば、トップパネルを固定する前に、ケースファンを取り付けてしまいましょう。

ライザーケーブル

次にケース内部にライザーケーブルを取り付けていきます。

ネジ2か所(赤丸)で固定します。
ここは特に問題ないでしょう。

2.5インチストレージ用パネル

2.5インチストレージ用のパネルを取り付けていきます。
ここも今回はパネルだけ取り付けますが、パーツを組み込むのであればストレージは取り付けてしまいましょう。

これがストレージ用パネルです。

パネルを取り付ける前に、最初の方の段階で仮固定したブラケット(上下)の位置を決めて本固定してしまいます。

こちらがパネルを固定した状態になりますが、最終的にパーツを組んでみたところ、電源とマザーボードのコネクタ配置などにもよるのかもしれませんが、私の場合上下を逆にした方がしっくりきました。

これが最終的にパーツを組んだ状態です。
パネルが上下逆になっています。

グラボブラケット固定パーツ

グラボのブラケットを固定するためのパーツ(小さいパネル)を仮固定していきます。

こんなパーツがあります。
最初見た時なんだか分からなかったのですが、組み立てを進めて行くと納得。

グラボのブラケットを押さえて固定するためのパーツでした。
このパーツは本来グラボが組み込まれてからの取り付けとなりますが、今回は空の状態で仮止めしています。

これでケースとしてはほぼ完成した状態です。
最後に足とサイドパネルを取り付けていきます。

足とサイドパネルを取り付けて完成

最後にケース底部へ足4つを取り付けてサイドパネルを締めて完了です。

このような感じで足4本を取り付けていきます。
この工程も特に問題ないでしょう。
底部ファンを取り付ける場合にはサイドパネルを閉じる前に取り付けましょう。

では、サイドパネルを閉じていきます。

こちらのサイドパネルを取り付けます。

サイドパネル(両面)を取り付けてケース完成です。
この画像では赤丸部分の固定をしていないのですが、最終的にここも固定しました。
逆側も同様です。

マニュアルではネジ4本で固定されていますが、この赤丸部分も固定した方が位置が出るし、隙間も少なくなるので固定することをお勧めします。
(部品も予備か分かりませんが、ここの分も入っていました。)

ちょこっと問題発生

組立完了したのは良いのですが、足を付けてケースを立ててみたところ【結構ガタつく】という問題に遭遇しました。

まあ、アルミフレームで組んでいるわけで歪みが出ないわけないのですよね。

全バラシして再組立ても検討したのですが、最終的には足の一か所にワッシャを挟んで高さを微調整することでこの問題を回避しました。

まとめ

以上、GEEEK「A40」の開封、組み立てレビューでした。
最後に良い所とイマイチな所をまとめていきたいと思います。

良い所

  • アクリルパネルで組まれている割には見栄えが良い
  • 海外から個人輸入するケースとしては安価
  • 知名度はそこそこあるものの、所有者は少なく比較的レア

イマイチな所

  • アルミフレームでの組み立てであるため、どうしても歪みが発生する
  • アクリルであるため、傷が付きやすい(特にサイドパネルが目立つ)
  • マニュアルが一部不親切なところがある

アルミフレームとアクリルパネルによる組み立て式であるため、外箱が小さくなる=輸送費が安くなるなどの利点があり、個人輸入するこの手のケースとしては安価であるというのが最大のメリットだなと感じました。
ただ、組み立て式ゆえの問題も発生しますが、個人的には許容範囲内でした。

今後、パーツ組み込み編も書く予定です。

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