Fractal Design Node 202 グラボ温度改善策(実験)

2020-01-03

Fractal Design Node 202には2スロット占有で310mmの長さのグラフィックボードまで搭載可能ですが、ケースが小さくエアフローが悪いということもあり、やはりグラボの温度面で不利な部分があります。

グラボのファンが付いている側は吸気穴+ファンがあるのでまだ良いのですが、バックプレート側は風が当たることもなく熱がこもりがちとなっています。

実際にグラボに負荷がかかるとケースの外側が熱くなる現象が見られました。

そこで、ケースの外側に効率よく熱を逃がせば改善されるのでは、と思いつきました。(グラボの熱対策についてはこちらも参考まで。)
今回の改造も実験的な意味合いが強くなっています。

目次

Node 202関連記事

【基本情報】
組立て編
対応CPUクーラー
専用防塵フィルタ
追加ケースファンの注意点
エアフロー考察

【実験的内容】
エアフロー改善①(無理やりファン増設)
エアフロー改善②(ケースに排気穴追加)
エアフロー改善③(ケーブル長改善)
エアフロー改善④(ケース内の肉抜き)
エアフロー改善⑤(小型排気ファン追加)
グラボのファン交換

評価環境

ケースFractal Design Node 202
マザーボードASRock Fatal1ty X370 Gaming-ITX/ac
CPURyzen 2700(無印)
グラボMSI RX580 Armor Mk2
メモリCorsair CMR16GX4M2C3600C18 8GB x 2 (3200Mhz運用)
CPUクーラーID Cooling IS-30 (ファンはNoctuaのNF-A9 PWM 92 x 25mmに交換)
PSUSilver Stone SST-SX600-G V2
SSDWD 2.5” Blue 500GB
HDD東芝 2.5” MQ04ABD200 2TB
ケースファン①Cooler Master XtraFlo 120 slim x 2個
ケースファン②noctua NF-A12x15(マグネット貼付け)

改善方法

まず、グラボ搭載時のバックプレートからケース外側(鉄部分)の間には空気、プラスチック(ケース内部)、空気があります。
それをケース内部のプラスチック部分を切り取ってしまい、熱伝導シートを使用してアルミの板をバックプレートとケース外側の間に挟む、という方法になります。
簡単に言うと手作りヒートスプレッダを作成する、というところでしょうか。
おまけでケース外側にヒートシンクを貼り付けました。
以下、イメージ図です。

ここが熱くなる

改造後の画像

まずは改造後の画像から。
左がケース内部を切り取った画像、右が貼り付けた手作りヒートスプレッダです。

改善前後の温度

こちらも結論から。
ほぼ効果無しでした。
FF15ベンチマークを3周させた時のスプレッダ有りと無しで温度を測定、グラフ化しました。青がスプレッダ有り、オレンジ色がスプレッダ無しの温度です。
ほぼ重なっていますが、温度が上がりきったところでスプレッダ有りの方が1℃ほど低くなっています。

最低、最大温度は スプレッダ有りで38-73度、スプレッダ無しで38-74度でした。
なお、ケース外側に更にヒートシンクを貼ってみましたが全く影響なさそうだったため剥がしてしまいました。(というか、邪魔だしかっこ悪いし)

主な熱源のTDPはRyzen 2700が65W、RX580が185Wとなります。

改造

使用した部材

・アルミバー300×20×5mm厚
これを適当なサイズに切断し、熱伝導シートで挟むことでグラボバックプレートとケースへ密着させます。
Amazonで購入(300円)

・熱伝導シート(0.5mmと2mm厚)
TAIHEIYOというところの熱伝導率3.5W/mkの熱伝導シート。
厚みが0.5~5mmまで選べるため便利。
Amazonで購入(0.5mm厚:760円、2mm厚:1,500円)

切り取った後に写真撮り忘れに気づく。

・ヒートシンク
最終的にヒートシンクを取り付けました。
Amazonで購入(1,000円)

使用した工具

・ミニルーター(安物)
ケース内部のプラスチック切断に。切断用ビットを使用。
以前の記事にもでてきたものです。
Amazonで購入(2,500円)

安物充電式ミニルータ。しっかり充電しておかないとパワーがでない困ったちゃん。(当たり前か。)

・金属用ノコギリ
5mm厚のアルミバーはルーターを使用せずにこちらで切断。
Amazonで購入(1,200円)

ケース内部の切り取り

ミニルーターでケース内部のプラスチックを切り取ります。
左が切り取り前、右が切り取り後。

アルミバー切断

金属用ノコギリを使用してアルミバーを適当な長さ(半分弱)に切断します。
切り取り後の画像を撮っていないため、撮り直します。

熱伝導シートの貼付け(完成)

切断したアルミバーに熱伝導シートを貼り付けてヒートスプレッダの完成。
それをグラボのバックプレートに貼り付けます。
バックプレート側に0.5mm厚、ケース側に2mm厚を貼り付けました。
この厚みは1mm、2mm、3mmと試しましたが、最終的に2mm厚となりました。
これはグラボによって変わると思います。
以下、完成後の画像。
触るとすぐに汚れてしまうため既に汚くなっていますが、ご勘弁を。

グラボに張り付け後

以上で手作りヒートスプレッダの完成です。

最終確認

最後にケースを閉じてケース内部の切り取り箇所が十分であり干渉していないか、また、ヒートスプレッダの厚みが適切かどうかを確認します。
ケースを閉じると中が見えないためこの厚み調整が最も苦労した箇所です。
一応、シムリングを使用して跡が付くかどうかで確認したりで、最終的に2mm厚の熱伝導シートに落ち着きました。

ヒートシンク貼付け(おまけ)

これはおまけですが、最後にケース外側のグラボバックプレートの有る辺りにヒートシンクを貼り付けました。
見た目がかっこ悪くなるのと、持ち運びに不利になるため最終的には外すと思います。
→やはり効果なかったため剥がしました。

まとめ

結果としては微妙でしたが、グラボに負荷がかかる状態ではケース外側が熱を持つため、ある程度効果はあるのではないかと感じています。
ヒートシンクも試しに貼ってみましたが、やはり効果はみられず、ヒートシンク無しでも熱がケースの広範囲に広がるためそれで十分でなのではないかと考えています。

そもそも、極小Mini-ITXケースを使用してGPU温度が高負荷時で80℃未満に収まっていれば十分かなという気もします。

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